1ヶ月ぶりの逢瀬
先日、1ヶ月ぶりに彼女と会いました。
待ち合わせの場所も時間も、立ち寄るコンビニも、向かうホテルもいつもと同じ。6年の間に自然とできあがった流れです。
ホテルに着くと、僕はお風呂にお湯を張り、彼女は買ってきたビールを冷蔵庫に入れる。
それぞれの役割を終えると、ソファに並んで腰を下ろし、お湯が溜まるまで近況を話す。LINEのやり取りが減っていた分、話題はいくらでもありました。
穏やかな時間
湯船に入浴剤を入れて2人で入る。
いつものように彼女の肩をほぐしながら、ささやかな安らぎを分け合う。
上がったあとはつまみを並べて乾杯。
今回は彼女の提案でホラー映画を観ることにしました。配信サービスで期間限定の作品らしく、「ひとりでは見られないから」と笑いながら言う姿が、どこか可愛らしい。
部屋を暗くして並んで観る映画は、怖さよりもむしろ楽しさが勝っていました。
映画が終わると昼食をとり、その後はベッドに横になってまったりとした時間。
彼女が体調の都合で親密な空気にならなかったこともあり、この日はただ眠り、目覚めてまた話す。それでも十分に心地よいものでした。
彼女のひと言
雑談の途中、彼女がふとつぶやきました。
「1週間だけでもいいから、一緒に暮らすみたいに過ごしてみたいね。買い物に行ったり、本を読んだり。きっと楽しいと思うの」
僕は笑いながら「お前が『本読むから』って言ったら、俺も『じゃあ俺も読むわ』って言いそうだな」と返すと、彼女は「そうそう!」と嬉しそうに頷いた。
しばらくして彼女を見ると、目尻に一粒の涙がこぼれていました。
「泣くつもりなんてなかったの。ただ自然に出てきちゃったの」
半年ぶりにこうしてゆっくり過ごせたからこそ、叶わない時間を思い描いてしまったのだろうと思いました。
彼女も分かっているはずです。寂しさや葛藤があっても、この時間が互いにとって欠かせないものだということを。
次の楽しみ
話題を変えるように、僕は言いました。
「今度はランチに行こう。新しいラーメンウォーカーに、気になる店がたくさん載ってたぞ」
彼女は笑顔で「本当?行きたい!」と答えてくれた。
そうして次の約束を決め、彼女を車まで送り、僕も帰路につきました。
控えめながら、互いの思いがにじむような逢瀬でした。