その日、彼女と会う時間はいつもと同じように穏やかで幸せでした。
でも僕の心の中には、ずっと言えずにいた大きな悩みがありました。
それは――「もう一人、子供を作りたい」という想い。
この記事で分かること
子供を願う理由
それは単なる親のエゴではなく、娘のためでした。
両家の事情もあり、このままでは娘には身近な親戚がいません。
将来、彼女がひとりきりになってしまうかもしれない。
そんな姿を想像するたびに胸が締めつけられていました。
「兄弟がいれば…きっと心強いはずだ」
「支え合える弟や妹を持たせてあげたい」
そう思う気持ちは募るばかりでした。
葛藤の中で
けれど、現実は簡単ではありません。
妻との営みを持つことには強い抵抗がありました。
かといって、彼女に不快な思いをさせたり、関係を壊すようなことは絶対にしたくない。
自分の願いは、あまりにも身勝手で矛盾していると分かっています。
「子供を作りたい。でも、彼女との関係も続けたい」
そんな調子のいい願いを、心の奥に押し込めてきました。
彼女に打ち明けた瞬間
逢瀬の最後、思い切ってその想いを彼女に伝えました。
すると彼女は、少しの間をおいてこう言ってくれたのです。
「良いことだと思うよ。」
さらに続けて、
「それでも私たちの関係は終わらないでしょ?
私だって若かったら作ってるもの。
先に言ってもらえて良かったよ。知らないところで作られてたら、それはショックだったから」
その言葉を聞いた瞬間、胸にのしかかっていた不安が一気に消えていきました。
感謝と決意
彼女の器の大きさに、ただ感謝しかありませんでした。
そして彼女に伝えたことで、自分自身の中にも少しずつ覚悟が芽生えたように思います。
未来はまだどうなるか分かりません。
でも、彼女に想いを打ち明けられたあの日から、僕の心は少し軽くなりました。