ガンかもしれない――不安の中で交わした、二人の本音

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この記事で分かること

手術後に訪れた予想外の異変

少し前、彼女の旦那さんは腫瘍の除去手術を受けました。
命に関わる場所ではないものの、「取ったほうがいい」と医師から勧められたための手術です。

ところが、術後3週間ほど経った頃から、彼女が不安そうに話し始めました。
旦那さんが「最近、体調が悪くて食欲もない。お腹が少しポッコリしてきた」と言い出したというのです。

実は、手術前の検査で「肝臓の数値が高い」と指摘されていたそうです。
体調不良、食欲不振、肝臓の数値異常――この情報が揃えば、誰だって「もしや…」と考えてしまうはずです。
彼女も「もしガンだったらどうしよう」と、不安を隠せませんでした。

家や車のローンも抱えているため、将来の経済的な不安もよぎったのでしょう。


僕の中に蘇った母の闘病の記憶

僕の母も肝臓ガンで闘病中です。
発覚するまでは全く自覚症状がなく、検査で初めて知りました。
だからこそ、僕は彼女に「放っておくと進行するから、精密検査に行ったほうがいい」と強く勧めました。

ガンの話をしているうちに、彼女の声からは「会えなくなるかもしれない」という不安がにじみ出ていました。
僕は「検査してみないと分からないから」となだめ、その日はLINEを終えました。


秋のお泊まりをめぐる勘違い

僕らは秋にお泊まり旅行の約束をしていました。
しかし、万が一のことを考え、僕は
「秋のお泊まり、ちょっと考えようか?」と送信。

すると、彼女から返ってきたのは
「分かった。そこからもう会わないってことね」という誤解の言葉。

慌てて僕は送りました。
「いやいや、そういう意味じゃなくて。もしガンで抗がん剤の投与日が旅行と重なったら行けなくなるだろ?」
そして間髪入れずに、こうも伝えました。

「俺、貴女とずっと一緒にいたいよ。でも、それには旦那さんは必要だ」

彼女も「確かに」と納得してくれました。
彼女の生活は、彼女一人の収入だけでは成り立たないことをお互いが理解していたからです。


涙とともに交わした約束

彼女は本音を打ち明けてくれました。
「もしガンで抗がん剤を打つようになったら、会えなくなるかもよ?」

僕は答えました。
「その時は5分でも10分でも顔を見せてくれないかな?俺がそっちまで行くから。…ダメ?」

少し間を置いて、彼女は
「そうしてくれるなら、会いたい」と言ってくれました。
その時、彼女は涙をこぼしていたそうです。


まさかの“ガス溜まり”で終わった心配

それから二日後。
旦那さんが別の症状で病院に行った際、ついでに診てもらった結果――
原因は「ただのガス溜まりの可能性が高い」とのこと。

……なんだそれ!?(笑)
僕らは思わず笑ってしまいました。
結局、心配は取り越し苦労に終わり、秋のお泊まり旅行は予定通り決行することに。

小さな勘違いもあったけれど、このやり取りで「会える時間の大切さ」を改めて感じた出来事でした。

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