季節限定の特別な味との再会
この季節になると必ず思い出す味があります。
それは、その時期にしか食べられないご当地ならではの特別な料理。
香ばしい香り、湯気の立ちのぼる器、そして一口目の衝撃…。
去年、僕たちはこの料理を“お疲れ様会”として食べに行きました。
去年の思い出と彼女の笑顔
昨年の彼女は、資格試験のために家事と勉強を両立しながら、本当に忙しい日々を送っていました。
試験の結果は惜しくも不合格でしたが、それまでの努力を労う気持ちを込めて、僕は「二人でお疲れ様会しようか?」と提案。
その日、料理が運ばれてきた瞬間の彼女の顔は、今でも鮮明に覚えています。
目を丸くして「わぁ…!」と声を漏らし、箸を手に取る姿は、まるで子どものように無邪気で愛らしかった。
一口食べるたびに、幸せそうに目を細め、「おいしいね」と微笑む。
あの瞬間、料理そのものよりも、彼女の表情のほうがずっと僕の記憶に焼きつきました。
今年も同じ場所で同じ味を
そして今年も、その季節がやってきました。
店に入ると、ふわっと香ってくる匂いに、彼女の表情が一気に緩みます。
料理がテーブルに並ぶと、待ちきれない様子で箸を伸ばし、夢中で頬張る。
やがて食べ終わりに近づくころ、彼女は小さな声で
「あ、無くなっちゃう…」
とつぶやきました。
「寂しくなる?(笑)」と僕が聞くと、
「うん…(泣)」と返事をして、最後のひと口まで大事そうに食べていました。
その姿を見ながら、僕は「来年も必ず一緒に来よう」と心の中で誓いました。
食後は歴史探訪デートへ
お腹を満たしたあとは、有名な城跡へ。
冬の澄んだ空気の中、石垣や城門跡を眺めながら歩く。
歴史好きな僕たちは、展示室に並ぶ古地図や甲冑を前に、あれこれ語り合い、時間を忘れてしまいました。
帰り道、高速道路でまさかの大渋滞というアクシデント。
でも、スマホで地図を見ながら「こっちの道なら行けるかも」と二人でルートを探し、無事に回避。
ちょっとした“共同作業”のようで、これもまた楽しい思い出になりました。
来年も同じ笑顔を見たい
無事に家に着いたとき、ふと横を見ると、助手席の彼女が小さく笑っていました。
「来年も、絶対行こうね」
その一言が、僕の胸の中を温かく満たしました。
この小さな恒例行事が、これからも変わらず続きますように。
来年も同じ笑顔で、同じ味を分かち合えますように。