先日、我が家である事件が起きました。
その事がきっかけで垣間見えた事が涙を誘ったので、書きたいと思います。
娘がいじめ(!?)にあった
小学校に通う娘の親友が、同じクラスの男の子にこんな内容の手紙を渡したというのです。
「いつも部活中にうるさいんだよ。だから、いつまでたっても下手くそなんだよ、下手くそ!!」
しかも、その手紙は僕の娘が書いたモノで、部活中に娘から渡すように頼まれた、と、その親友は証言しているのです。
娘は寝耳に水でした。
この事実はその親友の母親から嫁に伝えられました。しかも、この手紙がその男の子に手渡されてから2日後に。
「どうして私が?私、そんな事書いてないし、その日は部活中に親友とも会っていないよ?どうしてこんな事になるの?」
娘は困惑していました。
事件以前の娘と親友の子の状況
この事件が起きた時、僕と嫁はその親友の子が犯人だと、直感が働きました。でも、直感だけでは不安なので、娘に親友の子との間に、心当たりが無かったか聞いてみました。
娘とその親友の子は同じクラスなので、
- 娘が話しかけると、ちょっとウザそうにしていた。
- 娘が親しい他の友達と、最近仲良くしている
- 授業などで外に出ても快く一緒に行こうとしてくれない
こんな状況が浮かび上がりました。
確かに、娘は家での言動においても自分本位なところがあり、僕と嫁もたまに注意していました。
その親友の子も、娘のことをウザがったみたいです。まあ、こればかりは娘にも悪いところがあったのでしょう。
娘、手紙を渡された男の子、親友の子と各々の親が集まって話し合う
手紙を渡された事実を知った嫁は、娘を連れて、手紙を渡された男の子の家に無実を訴えに行きました。
僕は行かなかったので、後から嫁に聞いたのですが、その時に親友の子とその母親も読んで、被害者・被疑者・仲介者の3者で話し合ったようです。
その時、争点になるのは、「その手紙は本当に娘が書いたもので渡すように頼まれたのか?」という事です。
それを問われるのが親友の子になるのですが、その親友の子はいかにも事実のように、でっち上げた事を話していたそうです。
とにかく、その場は我が家の無実を信じてもらって終わりましたが、娘の心に大きな傷が残ってしまいました。
それから、腑に落ちない点が出てきました。
どうして親友の母親はその手紙を渡す事を止めなかったのか?
親友の子は、手紙を手にしてからその子の母親に一度見せている事がわかりました。
良識ある母親なら、「そんな人を傷つけるような手紙、渡しちゃダメだよ」と止めると思います。
それを、止めなかったために、親友の子は男の子に渡します。
この時点で、親友の母親は我が家の立場に損害が出る事を知っていた事になります。
白々しく、嫁に「こんな手紙が男の子に渡されたみたいなんだけど、大丈夫?」とLINEを送ってきたわけですね。
嫁はその子の母親を慕っていただけに、本当にがっかりしたようです。
学校に報告する
この事実を、担任の先生を通じて学校側に報告しました。
後日、娘と親友の子が別々に呼び出されて、事情を聴取されたようです。
それから学校側は2人の関係を調整するよう計らってくれましたが、娘の中で生まれた不信感は簡単に消えることはなく、表面上は仲良くしているみたいですが、心を許してはいないようです。
遠足
この事件が起きてから、娘にはもう一つ心配事がありました。それが「遠足」です。
娘と親友の子が入っていた友達グループ
娘と親友の子が入っていた友達グループには、共通の友人が多いのです。そのグループの中でもちょっとしたボス的存在である親友の子との間に亀裂が入ったということは、娘はグループに入れてもらえない可能性が出てきたわけです。
他の子は娘のことを気にしてくれてはいるんでしょうけど、親友の子が怖くて、娘についてくれない可能性も出てくるわけです。
遠足を1人で過ごさなくてはならない可能性
グループに入れてもらえない可能性は、遠足で一緒に行動してくれる友達がおらず、娘はせっかくの遠足を寂しい思いで過ごさなければならないかもしれないということです。
しかも、遠足の場所にはちょっとした遊具があるらしく、他の子は誰かと一緒に遊んでいる姿を見ながら、娘は1人で遊ぶ他ないかもしれない状況が出来上がる、そんな光景を想像してしまい、娘はそれを不安に思っていました。
親友と思っていた子にされた仕打ちに対する悲しみや寂しさに加えて、遠足で孤独になるかもしれない不安で、娘は数日の間、家に帰ってきてから泣いていました。
ある日、娘が嫁に尋ねたこと
事件が起きてから数日後、娘が嫁に尋ねました。
「ママー、遠足で行く場所の遊具は1人でも乗れるのかなあ」
僕は横でこの言葉を聞いていましたが、涙が出そうになりました。
普通、遠足間際でこんな事があったら、行きたくないと思うのが人であり子供であると思います。
しかし、娘は、そんな状況に負けずに遠足に行く意思を表してくれました。
もし、娘が遠足を1人で過ごすとしたら、とても寂しい・悲しい気持ちになるでしょう。娘を傷つけた親友の子は仲良い友達とワイワイしながら遠足を楽しんでいる姿を見ながら、自分は1人でいる寂しさで満たされる事でしょう。
もしかしたら、娘はそこまで考えていないかもしれない。でも、行くという意思表示をしてくれたことに対して、僕は誇りに思えました。
と同時に、娘にこんな思いをさせる親友の子に腹が立ちました。大人気ないことは分かっていますが、正直な気持ちです。
校長先生から伝えられたこと
後日、嫁が学校へ来て欲しいとの連絡を受けたので行きました。
学校へ行くと、校長先生と担任の先生が待つ校長室へ招かれて、今回の事件の事でこれ以上のことは学校側でも介入出来ないと言われ、解決は2人の気持ちに託す事を伝えられました。
その言葉に嫁が納得して二つ返事をした後に、校長先生は意外なことを嫁に伝えてくれました。
僕と嫁では見れない、娘の姿
校長先生は嫁にこう伝えたそうです。
「私は毎日、学校の前の横断歩道で旗振りをしています。登校途中の生徒には色々な生徒がいて、中には泣きながら横断歩道を渡って来る低学年の子もいます。娘さんはそんな子を見かけては『どうしたの?大丈夫?お姉ちゃんが教室まで一緒に行ってあげようか?』と声をかけて、優しく接してくれています。他の子は知らんぷりして過ぎ去っていく中、娘さんの行動は本当に立派です。私はそんな優しい子があんな手紙を出すはずはないと思っています」
仕事の休憩時間に気になって嫁に電話した時にそのことを聞いたのですが、周りに人がいなかったらボロボロ泣いていたと思います(涙一粒でこらえました)。
校長先生からそんなお墨付きの言葉をいただいたのはもちろん嬉しかったのですが、僕と嫁が見れない娘の姿を教えてくださった事がとても嬉しかった。
いつも家の中では妹と喧嘩しまくっている娘が、僕たちの知らないところでそんな優しい一面があったなんて、意外性もあって、心が暖まりました。
事件が起きてからの展開
事件が起きて、1週間ほどの間に親友と思っていた子が「書いたのは(僕の娘ではなく)違う人かもしれない」と供述を変えて来たり、その子が教頭先生から指導を受けるなど、色々な事がありました。
それから、その子は僕の嫁と娘宛に手紙を書いてくれたのですが、その手紙の内容も何だか上から目線で書いている印象を受けて、うちの娘が「無いわー」と言っていましたw
僕にしてみれば、その手紙を誰が書いたのか、親友と思っていた子が嘘をついているのかとかもうどうでも良くて、娘の強さや優しさを知る事が出来た事に満足してしまいましたw