「その一言が、心に刺さる」──言葉の力と夫婦のすれ違い

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2015年のはじまり。

新年を迎えたばかりというのに、我が家は落ち着く暇もないほど慌ただしい毎日が続いていました。

仕事でもプライベートでもトラブルや忙しさが重なり、心の余裕が削られていく日々。

そんな中、娘がインフルエンザに感染。看病のため保育園を休むことになり、嫁もその対応に追われることになりました。

嫁自身も疲れが溜まっていたこともあり、いつも以上に余裕がない様子。

そこで、僕は仕事から帰ってきた後や休日に家事を手伝い、少しでも嫁の負担を減らそうと決意しました。

この記事で分かること

「後でやるから」の言葉を信じたのに

ある日、娘が使用した冷却枕と保冷剤の処理について、僕は嫁に尋ねました。

「これ、どうすればいい?」

嫁は少し疲れた声で、

「後でやるから置いといて」

と言いました。

その言葉を素直に受け取った僕は、そのまま冷却枕を置き、溜まった洗い物やご飯の準備、お風呂の用意に取りかかりました。

しばらくして嫁が台所に現れ、放置されていた冷却グッズを見て一言。

「何でやりっぱなしにしてるの?……残念すぎる!」

僕は言葉を失いました。

一瞬で崩れた、積み重ねてきた努力

「残念すぎる」──その一言は、まるで僕のこれまでの努力や気遣いをすべて否定されたように感じました。

たしかに完璧ではなかったかもしれない。でも、家事や育児を積極的に手伝ってきたつもりでした。休みの日だって家事をこなし、家庭を支えようと頑張ってきた。それでも「残念な夫」だと烙印を押された気分でした。

これは、僕の器が小さいだけなのでしょうか?嫁にとっては一時的な苛立ちから出た言葉だったのかもしれません。

でも、僕にとっては忘れられない一言でした。

言葉がもたらす心のダメージ

「無視」という自己防衛が自然と僕の中で作動しました。

頭の中で問いがぐるぐると回ります。

  • 本当に大変なのは嫁だけなのか?
  • 「後でやるから」と言ったのは、やってくれるという意味じゃなかったのか?
  • 僕は何のために頑張っていたんだろう?

その場の感情で言った一言が、相手にどれだけのダメージを与えるか。言葉の重みを、どうしてもっと考えてくれなかったのか。

まとめ:言葉ひとつで、心が離れることもある

「残念すぎる」──その一言が、僕にとってどれだけ重かったか、嫁はきっと知らない。

努力が報われない虚しさ。価値を否定されたような無力感。

言葉って、ときに想像以上に人を深く傷つけます。

たとえ後から謝られても、心の奥に刺さった言葉は、簡単には消えてくれないのです。

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